授業名卒業研究3(99PQ326)授業名(英)Independent Study and Thesis 3
教員名田村 雅史
開講年度学期2021年度 前期~後期
曜日時限前期(集中講義)、後期(集中講義)
開講学科薬学部薬学科

単位2.0学年6年
区分卒業研究課程必修

概要 薬剤師として、また、創薬研究者として、薬学の世界において人類の健康・福祉の向上に貢献し得る一人の薬学人として活躍するためには、現場で日々目まぐるしく変化する状況に対して何が問題であるかを科学的根拠をもとに見抜くと共にいかに迅速かつ的確に最善の方法で対処しうるかが極めて重要である。その思考方法はまさに「研究活動」と一致するものである。更に、薬学領域のより一層の進歩を世界レベルで遂げるためには、研究活動という不断の努力がどの分野においても必要不可欠である。
 「卒業研究」シリーズでは、薬学・医療の進歩と改善に資するために、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を身につけることを目的とする。すなわち、「研究活動」のプロセスを通して、知識や技能を総合的に活用して問題を解決する能力を身につける。また、研究室における集団生活を通じて、信頼される社会人となるための豊かな人間形成についても併せて実施する。
 卒業研究3では、卒業研究1及び2で習得した知識・技能をもとに、継続して自身の研究テーマに沿って実験研究を実施する。また、これまでに得られた研究成果を卒業論文として発表できるように研究方針の再確認や実験(データ)の追補を適宜行う。最終的には研究成果発表のための資料作成を行なった後、研究成果を卒業研究発表会で発表するとともに卒業論文を期日までに提出する。
更に、卒論内容もしくは卒論予定内容を各種学術集会(化学関連支部合同九州大会、反応と合成の進歩シンポジウム、日本薬学会九州支部大会、日本薬学会年会、等)に積極的に発表するとともに学術論文に投稿する。
達成目標卒業研究1および2に示された達成目標を前提として、改めて以下の項目達成に向けて努力する:
1. 現象を客観的に捉える観察眼をもち、論理的に思考できる(G-(1)-3)。
2. 研究課題に関する国内外の研究成果を調査し、読解、評価できる(G-(3)-1)。
3. 課題達成のために解決すべき問題点を抽出し、研究計画を立案する(G-(3)-2)。
4. 研究計画に沿って、意欲的に研究を実施できる(G-(3)-3)。
5. 研究の各プロセスを適切に記録し、結果を考察する(G-(3)-4)。
6. 研究成果の効果的なプレゼンテーションを行い、適切な質疑応答ができる(G-(3)-5)。
7. 研究成果を報告書や論文としてまとめることができる(G-(3)-6)。
( )内はコアカリ番号
学習教育目標
成績評価方法指導教官の定めた時間帯に、指導教官の指示・指導した内容について有機化学・環境保全・労働安全の観点から適切に対応することを前提とする。研究に取り組む姿勢を最も重視する。実験報告会や論文紹介を含め正当な理由のない欠席及び遅刻は厳禁(下記の総点より欠席1回につき10点、遅刻1回につき5点をそれぞれ減じる)。
本単位が「卒業研究」シリーズの総まとめになるので、主体的かつ積極的な研究活動を求める。
以下に示す項目で判定し(合計100点)、総合成績の60%以上を満たしたものを合格とする。成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。達成目標の60%に達しなかった者を不合格とする。
具体的には、

1)実験内容と結果、それまでの研究結果を総合的に判断して、その反応の特徴や想定反応機構などを推測・提案できる(15点)
2)前項1)で考察された特徴や想定の正否・確証を得るために、国内外の研究成果を学術論文や学会報告等で調査し、証明・評価、更にはそれらを元に新たな考えを提案できる(15点)
3)前項2)で得られた知見を元に、研究テーマをまとめる上で解決すべき点や行うべき実験内容を立案できる(10点)
4)前項3)を元に、研究テーマ解決に向けての課題と現状を理解し、自ら研究計画を立案して意欲的に実施できる(20点)
5)これまでに記録・作成した実験ノートや各種研究報告書を基に、卒業論文作成に必須の実験の部の作成を行うことができる。また、不足している機器測定データを測定収集・解析して実験項に追加することができる(10点)
6)研究成果を卒論発表会や各種学術大会で発表する際に、効果的なプレゼンテーション資料を作成するとともに明快なプレゼンテーションを行うことができる。また、適切な質疑応答ができる(10点)
7)研究成果を卒業論文や学術論文として定められた期日内に作成・提出することができる。(20点)

各項目における判断基準は以下の通り:
・極めて良く理解している(できる):配点の100%
・良く理解している(できる):配点の80%
・理解している(できる):配点の60%(標準)
・やや理解に欠ける(できない):配点の40%
・かなり理解に欠ける(できない):配点の20%
・理解していない(できない):0点
教科書特に定めないが、有機化学に関する教科書は必ず保有しておくこと。
参考書1)「ボルハルト・ショアー 現代有機化学」上・下 古賀憲司他監訳(化学同人)
2)「スミス 有機化学」上・下 山本尚他監訳(化学同人)
3)「ウォーレン 有機化学」上・下 野依良治他監訳(東京化学同人)
4)「有機化学実験のてびき〔1〕-物質取扱法と分離精製法」後藤俊夫他監修(化学同人)
5)「有機化学実験のてびき〔2〕-構造解析」後藤俊夫他監修(化学同人)
6)「機器分析のてびき」泉美治他監修(化学同人)
7)「実験を安全に行うために」化学同人編集部編(化学同人)
8)「続 実験を安全に行うために」化学同人編集部編(化学同人)
履修上の注意卒業研究は、今後薬学人として携わっていくためは必須の経験であり、この経験から得られる科学的見地からの物事の見方・考え方というものはどんな座学を以ってしても習得することはできない貴重なものである。研究室における全ての活動について、主体性をもって積極的に取り組むこと。
人によってはこの授業が一生の中で最後の研究活動かもしれない。前述のように研究活動に関わらない限り体得できない、科学的根拠に立った物事の論理的思考能力を習得する最後のチャンスなので、これまで以上に真摯にかつ熱く研究活動に取り組んで欲しい。
また、これまでの研究活動を通して自身の研究テーマをもっと探求したい人には研究室としてしっかりバックアップする。 
繰り返すが、実験報告会や論文紹介を含め正当な理由のない欠席及び遅刻は厳禁。
なお、アレルギーなど研究を行う上で特別な配慮が必要な場合は予め担当教員に相談する事。

授業計画卒業研究3では、卒業研究1及び2で習得した知識・技能をもとに、継続して自身の研究テーマに沿って実験研究を実施する。また、これまでに得られた研究成果を卒業論文として発表できるように研究方針の再確認や実験(データ)の追補を適宜行う。最終的には研究成果発表のための資料作成を行なった後、研究成果を卒業研究発表会で発表するとともに卒業論文を期日までに提出する。
更に、卒論内容もしくは卒論予定内容を各種学術大会(化学関連支部合同九州大会、反応と合成の進歩シンポジウム、日本薬学会九州支部大会、日本薬学会年会、等)に積極的に発表するとともに学術論文に投稿する。 

注意特になし。