授業名 | 医療経済学(99P4403) | 授業名(英) | Medical Economics |
教員名 | 下川 昌文,惠谷 誠司 | ||
開講年度学期 | 2022年度 前期 | ||
曜日時限 | 火曜3限 | ||
開講学科 | 薬学部薬学科 |
単位 | 2.0 | 学年 | 4年 |
区分 | 専門科目 | 課程 | 必修 |
概要 | 医薬品が流通する場面には、必ず経済的な問題が付随する。 本科目では、「社会保障制度」、「医療体制」、「薬剤経済」の3つの視点から、医療保険、診療報酬、薬価基準、医薬品の流通、医薬品の費用対効果等の基礎について学び、医療経済的な視点を含めた医薬品の適正使用の考え方を身に付ける。 また、残薬調整やフォーミュラリ―作成などに取り組んでいる薬剤師から、彼らの医薬品適正使用に対する思いや姿勢を学ぶ。 授業の担当は、社会保障制度、診療報酬、調剤報酬、介護報酬の仕組み、実際の保険請求業務等(第1回から第8回まで)については惠谷が、国民医療費の動向、医薬品等に係る知的財産権保護の仕組み、医薬品市場の動向、薬剤経済評価手法等(第9回から第14回まで)については下川が、薬剤師の介入による医療経済効果の実例(第15回)については外部講師が行う。 内容理解度は、次回講義の最初の時間を利用した簡単な小テスト(前回講義の内容)と中間時期で行う到達度確認により確認する。 【実務経験教員による授業】 1. 本講義の担当教員である下川 昌文は、1993年4月から2020年3月まで27年間、厚生労働省((独)医薬品医療機器総合機構、㈱産業革新機構等への出向を含む。)において、医薬品の流通、後発医薬品の承認・普及等を含む薬務行政や厚生労働行政の推進に必要な研究の企画立案、革新的医薬品開発のための投資事業等に携わってきた。医療経済学は、社会保障制度、薬剤経済等、厚生労働行政に深く関わる内容を扱う学問である。厚生労働省での経験、知識を活かし、医薬品の市場の特徴・企業展開、後発医薬品の役割、オーファンドラッグ等の日本における医薬品開発の諸問題と政策について、背景も含めてわかりやすく解説することによって、現状と課題を認識するとともに、薬剤師が担う役割とその意義を理解し薬剤師として適切な対応がとれるための教育を行う。 2. 本講義の担当教員である惠谷 誠司は、鹿児島県薬剤師会薬事情報センターにおいて、主に薬局薬剤師からの医療保険制度、介護保険制度、診療報酬請求等に関わる相談対応、2年毎の診療報酬改定に関わる資料集の編纂等に従事。また、鹿児島県後発医薬品安心使用協議会の立ち上げ時よりオブザーバーとして参加。それらを通じて得た知識等を踏まえ、医療保険制度、療養担当規則、公費負担制度、調剤報酬等について、関連する法律、施行規則、省令、通知などの利用方法、解釈などを交えながら講義する。さらに、鹿児島県薬剤師会では全国に先駆け残薬調整事業を実施しており、それによって得られた成果等に触れながら医療経済の適正化における薬剤師の役割についても紹介する。 3. 薬局における残薬整理等に関する取り組み事例に関しては、鹿児島県薬剤師会 沼田真由美先生を招聘しWeb(ZOOM)にて講義を行う予定にしている。 |
達成目標 | ・社会保障制度のものとで提供される医療と福祉について、現状と課題を認識するとともに、薬剤師が担う役割とその意義を理解する。 1. 社会保障制度(医療保険制度、公費負医療、介護保険制度等)に関連する法規について列挙し、説明できる。 2. 診療報酬、調剤報酬、介護報酬の仕組み、実際の保険請求業務等についての説明と簡単な請求実務を実施できる。 3. 国民医療費の動向等から予想される問題点について列挙し、その解決方法(現在実施されている施策等)とそれに対しての薬剤師の役割について説明できる。 4. 医薬品等に係る知的財産権保護の仕組み(申請、承認など)について説明できる。 5. 医薬品の創製に関わる仕組みについて、日本と諸外国でどのように異なるかを説明できる。 6. 国際的な医薬品市場の動向と企業展開について説明できる。 7. 代表的な薬剤経済評価手法を用いて、薬物治療の効率性を評価できる。 8. 希少疾病に対する医薬品(オーファンドラッグ)開発の現状と問題点について説明できる。 |
学習教育目標 | |
成績評価方法 | 3分の2以上の出席を満たした者が成績評価の対象となる。 達成目標事項についての「演習・小問」および「試験」を行い、その成績の合計に応じて以下のように評価を与える。 S:90~100 点、A:80~89 点、B:70~79 点、C:60~69 点、D:59 点以下 不合格 なお、「演習・小問」は、各回(第1回、第8回、第9回及び第15回を除く。)に行われる計11回の「小テスト」及び第8回に行われる「到達度確認」からなる。 また、各内容別の配点は次のとおりとする。 ◎「演習・小問」:65点(うち、小テスト:30点(全11回合計)、到達度確認:35点) ◎「試験」:35点 再試験:有 ・ 成績評価 60点未満のものについて、1度だけ再試験を実施し、点数が60点以上に達したものをC評価とする。 |
教科書 | ・ 薬事関連法規・制度解説(薬事日報社) ・ 必要に応じて資料を配布する。 |
参考書 | ・ URL ・ URL |
履修上の注意 |
授業計画 |
注意 | ・ 都合により、授業内容や順番が入れ替わる場合が予想される。その際は、担当教員から事前に連絡する。 ・ 必要に応じてインターネット検索を行う場合がある。その際は、個人のパソコンを持参するよう担当教員から予め連絡をする。 ・ 各回の講義で使用する資料を講義の7~3日前を目途にMoodle上にアップするので、各自でパソコンにダウンロードし、講義当日、紙に印刷して持参するか、ノートパソコンを持参し資料を閲覧すること。 ・ 出欠は、小テストを実施する場合は小テストの解答の提出、小テストを実施しない場合は出欠アンケートの提出をもって出席とみなす。 |