授業名特別研究1(99FA204)授業名(英)Special Research Ⅰ
教員名太田 雄大
開講年度学期2024年度 前期~後期
曜日時限前期(集中講義)、後期(集中講義)
開講学科大学院 工学研究科工学専攻

単位5.0学年修士課程1年
区分専門共通 特別研究課程必修

概要小分子(酸素、水、二酸化炭素、炭化水素など)を活性化する金属酵素を規範とし、合理的に分子設計した金属錯体を開発して反応性と反応機構について研究する。また、酸素活性化の研究に関連して、錯体化学の観点から生体内の酸化ストレスに関する研究を行う。これらの研究活動により、環境・ エネルキーおよひ人々の健康に関わる問題に応えるべく、基礎と応用化学に関する研究を行う。
達成目標研究成果を挙げて学会にて研究発表し、学術論文を発表することを目標にする。
学習教育目標
成績評価方法研究に対する取り組み、成果、報告会などでの発表から総合的に評価する。

合格 : S(90~100点),A(80~89点),B(70~79点),C(60~69点)
不合格 : D(59点以下)  
教科書
参考書
履修上の注意研究は教員と議論を重ねながら、自ら実験方法や結果について考察して自主的に行うものである。したがって、自主性を重んじて 各自の責任で研究を進めてもらう。

授業計画(1) エネルギー変換に関わる金属酵素の化学モデルと触媒の創製
金属酵素が触媒する小分子活性化(酸素還元、水分解、C-H結合活性化、二酸化炭素還元など)の反応メカニズムについて理解を深めることは、持続可能なエネルギーの創製において鍵となる触媒設計に役立つ。酸素の4電子還元反応は燃料電池、水分解は人工光合成、C-H結合活性化は炭素資源の分子変換技術において本質的な化学反応である。また、二酸化炭素を還元して有用な化学物質に変換できれば、炭素資源のリサイクルが可能になる。金属酵素の触媒活性中心の分子構造に学び、合理的に分子設計した金属錯体を開発し、反応性と反応機構について解析する。本研究をとおして、貴金属を代替する卑金属触媒の創製を目標にする。

(2) 生体活性酸素種の化学
生体内では部分還元した酸素(1-3電子還元した酸素(活性酸素種))が発生して拡散し、蛋白質、DNA、脂質などを酸化分解して機能発現を妨げることが知られている。このような酸化ストレスは、種々の疾患と関連していると考えられている。錯体化学の観点から、生体関連金属錯体と酸素の相互作用による活性酸素種の発生メカニズムと反応性について考察し、健康問題に応じる研究を行う。

注意