授業名有機構造化学特論(有機構造化学)(99FA032)授業名(英) Organic Structural Chemistry
教員名佐伯 政俊
開講年度学期2025年度 前期
曜日時限月曜1限
開講学科大学院 工学研究科 応用化学専攻

単位2.0学年修士課程1・2年
区分専門科目
講義・演習
課程選択

概要生命現象を理解するためにはその現象に関わる有機分子についての化学的知識が必要である。本講義では生体を構成する基本分子の1つであるタンパク質の構造、性質について有機化学の観点から講義を行う。生体高分子の一つであるタンパク質の立体構造について学習し、生命科学の研究に役立てるための知識を習得することを目標とする。
達成目標タンパク質の構造や性質について説明ができる。
  
学習教育目標
成績評価方法試験    : 70
レポート  : 
演習・小問 : 30
参加姿勢  : 
 
達成目標事項についての演習・小問および定期試験を行い、その成績の合計に応じて以下のように評価を与える。
S:90~100点、A:80~89点、B:70~79点、C:60~69点、D:59点以下 不合格 特に正当な理由が無く欠席した場合は不合格とする。
 
再試験:無 
教科書Essential タンパク質科学
ISBN978-4-524-26864-1
参考書
履修上の注意

授業計画【第1回】
1章 タンパク質の構造と進化(1)
アミノ酸とペプチドの構造/タンパク質を構築しているさまざまな相互作用
【教科書p.1-p.22】

【第2回】
1章 タンパク質の構造と進化(2)
タンパク質の構造/タンパク質の進化
【教科書p.23-p.56】

【第3回】
2章 タンパク質のドメイン
ドメイン/タンパク質の進化におけるドメインの重要な役割/マルチドメイン構造の利点の推察/道具としてのタンパク質の利用
【教科書p.59-p.94】

【第4回】
3章 オリゴマー
なぜタンパク質はオリゴマー化するのか/アロステリー/二量体によるDNAへの協同的な結合/アイソザイム
【教科書p.95-p.122】

【第5回】
4章 in vivoにおけるタンパク質間相互作用(1)
分子同士の衝突頻度に及ぼす要素/どのようにしてタンパク質はパートナーを迅速に見つけることができるのか
【教科書p.123-p.148】

【第6回】
4章 in vivoにおけるタンパク質間相互作用(2)
天然変性タンパク質/タンパク質の翻訳後修飾/タンパク質のフォールディングとミスフォールディング
【教科書p.149-p.170】

【第7回】
5章 どのようにして酵素は働くのか
酵素は遷移状態のエネルギーを下げる/化学的触媒作用/酵素は基質の形よりも遷移状態の形を見分ける/トリオ―スリン酸イソメラーゼ
【教科書p.95-p.122】

【第8回】
中間テスト

【第9回】
6章 タンパク質の柔軟性と動力学
運動の時間域と距離域/立体配座選択/機能的な運動
【教科書p.211-p.235】

【第10回】
7章 タンパク質はどのように移動するか(1)
タンパク質はどう働くのか/分子モーター、ポンプ、トランスポーター
【教科書p.239-p.258】

【第11回】
7章 タンパク質はどのように移動するか(2)
アクチンやチューブリン線維に沿った動き/核輸送/膜を介した輸送と膜への輸送
【教科書p.259-p.278】


【第12回】
8章 タンパク質のシグナル伝達
問題点とその解決方法の概要/二量体化受容体キナーゼシステム/Gタンパク質共役型受容体/イオンチャネル/潜在性遺伝子制御タンパク質の分解を介したシグナル伝達
【教科書p.281-p.317】

【第13回】
9章 タンパク質複合体:分子機械
細胞のインタラクトーム/エキソソーム/RNAポリメラーゼII複合体/メタボロンの概念
【教科書p.319-p.341】

【第14回】
10章 多酵素複合体(1)
基質チャネリング/回路反応/ほぼMECとみなせる酵素複合体/多酵素複合体の考えられる利点
【教科書p.345-p.372】

【第15回】
期末試験

【第16回】
講評、解説

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[授業外学習の指示]
各講義の前に上に示されてある教科書の該当ページを読んでおくこと。また、授業で出される演習課題を復習して理解度を確認すること。

注意