授業名総合医療薬学5(99P4407)授業名(英)
教員名小野 浩重,黒川 陽介,中川 直,奥屋 茂
開講年度学期2025年度 前期
曜日時限月曜2限、水曜4限、水曜5限、金曜1限、金曜2限
開講学科薬学部薬学科

単位2.0学年4年
区分専門科目
講義・演習
課程必修

概要代謝系・内分泌系、感覚器系および皮膚の疾患に作用する医薬品の薬理および疾患の病態・薬物治療に関する基本的知識を修得し、治療に必要な情報収集・解析および医薬品の適正使用に関する基本的事項を修得する。代謝系・内分泌系では、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、バセドウ病、甲状腺炎、尿崩症等について治療薬の薬理、および病態、薬物治療を学習する。感覚器の疾患では、眼疾患の緑内障、白内障、加齢性黄斑変性について、また、耳鼻咽喉疾患のめまい等について治療薬の薬理、および病態、薬物治療をgreen学習する。皮膚の疾患では、アトピー性皮膚炎、皮膚真菌症、褥瘡について治療薬の薬理、および病態、薬物治療を学習する。

本講義は、薬理、臨床病態、薬物治療の教員(場合によっては特別サポートもある)がそれぞれの専門の立場から共同で指導にあたり、原則として全ての教員が何らかの形で授業を担当する。脂質異常症・NASHをテーマとする授業では黒川陽介をゲスト担当とする。
代表的な8疾患のうち、『糖尿病』はここで重点的に学習する。


【実務経験教員による授業】
本科目担当の教員である小野 浩重は昭和63年4月より平成15年3月まで15年間病院薬剤師として大学病院に勤務し、調剤業務・医薬品管理・製剤業務・薬剤管理指導業務・治験薬管理業務などの業務に携わった。本授業科目では医薬品の安全管理や適性使用の面から、自律神経系循環器系、血液・造血器系、泌尿器系・生殖器系の疾患に使用される薬剤の薬物療法について、実際に臨床の場で経験し、会得した知識を伝える。
達成目標1)2)3)5)6)7)糖尿病とその合併症、脂質異常症、高尿酸血症・痛風、Basedow(バセドウ)病、甲状腺炎(慢性(橋本病) 、亜急性)、尿崩症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。  
4)性ホルモン関連薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる
について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等) ・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる
8)13)15)以下の疾患について説明できる。
先端巨大症、高プロラクチン血症、下垂体機能低下症、ADH 不適合分泌症候群(SIADH)、副甲状 腺機能亢進症?低下症、Cushing(クッシング)症候群、アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎不全 (急性、慢性) 、子宮内膜症(重複) 、アジソン病(重複)、結膜炎(重複) 、網膜症、ぶどう膜炎、網膜色素変性症、アレルギー性鼻炎(重複) 、花粉症(重複) 、副鼻腔炎(重複) 、中耳炎(重複) 、口内炎・咽頭炎・ 扁桃腺炎(重複)、喉頭蓋炎
9)代謝系・内分布系の疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を 概説できる
10)11)12)14)緑内障、白内障、加齢性黄斑変性、めまい(動揺病、Meniere(メニエール)病等)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用) 、および病態(病態生理、症状等)・ 薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
16)17)18)アトピー性皮膚炎、皮膚真菌症、褥瘡について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生 理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。(E2(2)【②免疫・炎症・アレルギーの薬、病態、治療】参照)
19)以下の疾患について概説できる。 蕁麻疹(重複)、薬疹(重複)、水疱症(重複)、乾癬(重複)、接触性皮膚炎(重複)、光線過敏症(重複)。
学習教育目標
成績評価方法3分の2以上の出席を満たした者が成績評価の対象となる。課題レポート、SGDに対する取り組み、グループ発表及び定期試験により総合的に判定する。
具体的には、
◎課題レポート
内容:1教員各5点満点 計15点
   ①シナリオの内容を正確に捉えている
   ②十分に調査・勉強し、理解している
 上記評価項目に対する評価はグレード5~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード5:大変優れている   5点
  ・グレード4:優れている      4点
・グレード3:良い          3点
  ・グレード2:やや努力が必要である  2点
  ・グレード1:かなり努力が必要である 1点
  ・グレード0:評価できない    0点
◎SGDへの取り組み
内容:1教員各2点満点 計6点
   ①貢献度:自分の意見を他者に的確に伝えている。また、グループの方向性に即した意見を
    活発に表現している。
   ②積極性:グループ内の作業に対して積極的に取り組んでいる。
上記評価項目に対する評価はグレード2~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード2:優れている        2点
  ・グレード1:良い           1点
  ・グレード0:評価できない  0点
◎グループ発表
内容:1教員各3点満点 計9点
 評価項目は以下の通りとする
   ①はっきりとわかり易く発表している
   ②時間配分を考えながら、適度なスピードで発表している
   ③十分に調査・勉強し、課題を理解している
 上記評価項目に対する評価はグレード3~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード3:大変優れている      3点
  ・グレード2:優れている  2点
  ・グレード1:良い 1点
  ・グレード0:評価できない    0点
◎定期試験
内容:1教員各100点満点(最終評価では70点に換算する) 計70点

〇到達目標の60%以上に達したものを合格とする。
〇成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。
〇達成目標の60%に達しなかった者は再試験を1回だけ行い、目標の60%以上に達したものをC表
 記60点として合格とする。 
教科書・病態を理解して組み立てる 「薬剤師のための疾患別薬物療法」改訂第2版 Ⅰ 日本医療薬学会編集 南江堂(2018)
・みてわかる薬学シリーズ 図解薬理学 第1版 鍋島俊隆 他編 南山堂(2015)
原則として教科書に準拠して授業を進める、教科書だけで不十分な内容については補助資料として適宜プリントを配布する。
参考書8大疾患・35症例から臨床を考える「実践事前実習テキスト」 編著 日本大学薬学部 京都廣川書店(2018) 
履修上の注意本科目は総合医療薬学講座の中の一つであり、改訂コア・カリキュラムに記載された8大疾患に含まれる『糖尿病』を学ぶものでもある。
本講座を学ぶことによって、臨床現場で必要となる代謝系・内分泌系、感覚器系および皮膚疾患の基礎知識と薬物療法について学ぶことができる。実務実習に臨んだ際に、当該症例に対応できるようしっかり学習してもらいたい。
授業を受ける前に講義予定項目を確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むこと。
また、講義の後は必ず復習をすること。判らないことをそのままにしないで、参考書等で調べること。それでも理解できなければ、オフィスアワーや次回の講義の時に教員に質問にくること。
なお、障がい等により本講義の受講に際し特別な配慮を要する場合は、薬学部教務係に事前に相談するとともに、初回授業等、早期に授業担当教員に申し出ること。

授業計画

注意1回完結型の講義が多いので、予習は勿論であるが、しっかり復習をすること。
こまめな予習・復習は授業内容のより深い理解・定着に非常に効果的であり、中間・期末試験に臨む際に有効である。
課題発表の際は、発表内容についてしっかり理解し、十分準備して臨むこと。
なお、授業の担当・順番及び講義内容は進行度等によって変更することがある。その際は教官より適宜指示を行う。