授業名総合医療薬学7(99P4409)授業名(英)Comprehensive Medical Pharmacology 7
教員名相良 英憲,伊豫田 拓也,沖田 直之,奥屋 茂
開講年度学期2025年度 前期
曜日時限月曜2限、水曜4限、水曜5限、金曜1限、金曜2限
開講学科薬学部薬学科

単位2.0学年4年
区分専門科目
講義・演習
課程必修

概要 代表的な8疾患のうち、『がん』はここで重点的に学習する。悪性新生物に作用する医薬品の薬理および疾患の病態・薬物治療に関する基本的知識を修得し、治療に必要な情報収集・解析および医薬品の適正使用に関する基本的事項を修得する。抗悪性腫瘍薬の薬理および臨床適用について、また、抗悪性腫瘍薬の耐性獲得機構、副作用、その対処法について学習する。

 白血病、悪性リンパ腫、骨肉腫、消化器系の悪性腫瘍(胃癌、食道癌 、大腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌)、肺癌、感覚器・生殖器・腎・尿路系の悪性腫瘍、乳癌などの疾患について、疾患とそれに繋がる病態・薬理・薬物療法を一連の流れの中で結び付けて理解する。さらに、治療に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効を学習する。

本講義は、疾病病態学、臨床薬理学、病態生化学、医療安全学分野の教員(場合によっては特別サポートもある)がそれぞれの専門の立場を活かしテーマごとに指導にあたる。


                            
達成目標1)腫瘍の定義(良性腫瘍と悪性腫瘍の違い)を説明できる。
2)悪性腫瘍について以下の項目を概説できる(組織型分類および病期分類、悪性腫瘍の検査、悪性腫瘍の疫学、悪性腫瘍のリスクおよび予防要因)
3)、4)、5)、6)悪性腫瘍の治療における薬物療法の位置づけや、以下の抗悪性腫瘍薬(アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、微小管阻害薬、トポイソメラーゼ阻害薬、抗腫瘍ホルモン関連薬、白金製剤、分子標的治療薬、その他の抗悪性腫瘍薬 )の薬理(薬理作用、機序、主な副作用、相互作用、組織移行性)および臨床適用、抗悪性腫瘍に対する耐性獲得機構、抗悪性腫瘍薬の主な副作用(下痢、悪心・嘔吐、白血球減少、皮膚障害(手足症候群を含む) 、血小板減少等)の軽減のための対処法を説明できる。
7)代表的ながん化学療法のレジメン(FOLFOX等)について、構成薬物およびその役割、副作用、対象疾患を概説できる。
8)、9)、10)以下の白血病(急性(慢性)骨髄性白血病、急性(慢性)リンパ性白血病、成人 T細胞白血病(ATL))、悪性リンパ腫および多発性骨髄腫、骨肉腫について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
11)以下の消化器系の悪性腫瘍について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 胃癌、食道癌、肝癌、大腸癌、胆嚢・胆管癌、膵癌
12)肺癌について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
13)以下の頭頸部および感覚器の悪性腫瘍について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 脳腫瘍、網膜芽細胞腫、喉頭、咽頭、鼻腔・副鼻腔、口腔の悪性腫瘍
14)、15)生殖器の悪性腫瘍(前立腺癌、子宮癌、卵巣癌)、腎・尿路系の悪性腫瘍(腎癌、膀胱癌)について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。  
16)乳癌について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
17)がん終末期の病態(病態生理、症状等)と治療を説明できる。
18)がん性疼痛の病態(病態生理、症状等)と薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
19)病態微生物・悪性新生物が関わる疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる
学習教育目標
成績評価方法
3分の2以上の出席を満たした者が成績評価の対象となる。課題レポート、SGDに対する取り組み、グループ発表及び定期試験により総合的に判定する。
具体的には、
◎課題レポート
内容:1教員各5点満点 計15点
   ①シナリオの内容を正確に捉えている
   ②十分に調査・勉強し、理解している
 上記評価項目に対する評価はグレード5~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード5:大変優れている   5点
  ・グレード4:優れている      4点
・グレード3:良い          3点
  ・グレード2:やや努力が必要である  2点
  ・グレード1:かなり努力が必要である 1点
  ・グレード0:評価できない    0点
◎SGDへの取り組み
内容:1教員各2点満点 計6点
   ①貢献度:自分の意見を他者に的確に伝えている。また、グループの方向性に即した意見を
    活発に表現している。
   ②積極性:グループ内の作業に対して積極的に取り組んでいる。
上記評価項目に対する評価はグレード2~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード2:優れている        2点
  ・グレード1:良い           1点
  ・グレード0:評価できない  0点
◎グループ発表
内容:1教員各3点満点 計9点
 評価項目は以下の通りとする
   ①はっきりとわかり易く発表している
   ②時間配分を考えながら、適度なスピードで発表している
   ③十分に調査・勉強し、課題を理解している
 上記評価項目に対する評価はグレード3~グレード0に分類し、以下のように行う
  ・グレード3:大変優れている      3点
  ・グレード2:優れている  2点
  ・グレード1:良い 1点
  ・グレード0:評価できない    0点
◎定期試験
内容:1教員各100点満点(最終評価では70点に換算する) 計70点

〇到達目標の60%以上に達したものを合格とする。
〇成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。
〇達成目標の60%に達しなかった者は再試験を1回だけ行い、目標の60%以上に達したものをC表
 記60点として合格とする。 
教科書・病態を理解して組み立てる 「薬剤師のための疾患別薬物療法」改訂第2版 Ⅰ 日本医療薬学会編集 南江堂(2018)
・みてわかる薬学シリーズ 図解薬理学 第1版 鍋島俊隆 他編 南山堂(2015)
原則として教科書に準拠して授業を進める、教科書だけで不十分な内容については補助資料として適宜プリントを配布する。
参考書8大疾患・35症例から臨床を考える「実践事前実習テキスト」上 編著 日本大学薬学部 京都廣川書店(2018)
履修上の注意本科目は総合医療薬学講座の中の一つであり、改訂コア・カリキュラムに記載された8大疾患に含まれる『がん』を学ぶものでもある。
本講座を学ぶことによって、臨床現場で必要となる悪性腫瘍の基礎知識と薬物療法について学ぶことができる。実務実習に臨んだ際に、当該症例に対応できるようしっかり学習してもらいたい。
授業を受ける前に講義予定項目を確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むこと。
また、講義の後は必ず復習をすること。判らないことをそのままにしないで、参考書等で調べること。それでも理解できなければ、オフィスアワーや次回の講義の時に教員に質問にくること。
なお、障がい等により本講義の受講に際し特別な配慮を要する場合は、薬学部教務係に事前に相談するとともに、初回授業等、早期に授業担当教員に申し出ること。

授業計画

注意・1回完結型の講義が多いので、予習は勿論であるが、しっかり復習をすること。

・こまめな予習・復習は授業内容のより深い理解・定着に非常に効果的であり、中間・期末試験に臨む際に有効である。

・課題発表の際は、発表内容についてしっかり理解し、十分準備して臨むこと。

・授業の担当・順番及び講義内容は進行度等によって変更することがある。その際は教官より適宜指示を行う。