授業名実務薬学(医療安全学2)(99P4410)授業名(英)Medical Quality and Safety Science 2
教員名黒川 陽介
開講年度学期2025年度 前期
曜日時限火曜1限
開講学科薬学部薬学科

単位2.0学年4年
区分専門科目
講義・演習
課程必修

概要薬剤師をはじめとする医療関連分野に携わる研究者、技術者として、医療安全の基礎的な知識を修得する。薬剤師は医療の担い手として、医薬品の適正使用、副作用の早期回避、院内感染防止など、患者の安全確保に幅広く貢献することが求められている。患者・生活者本位の視点にたち薬剤師として病院や薬局などの臨床現場で活躍するために、薬物療法の実践と、チーム医療・地域保健医療への参画に必要な基本的事項を修得する。患者・来客者応対、服薬指導、患者教育、医薬品の供給と管理、安全管理に関して学習する。実務教育の事前学習に相当する科目であり、知識の他に心構え、態度等も身につけることを目標とする。


【実務経験教員による授業】                               
本科目担当の教員である黒川 陽介は昭和56年10月より平成19年3月まで35年間病院薬剤師として、大学病院、民間病院に勤務し、調剤業務・製剤業務・薬品購入業務・薬品情報業務・薬剤管理指導業務・治験薬管理業務などの業務に携わった。麻薬管理者・医薬品安全管理者として病院の全ての薬品管理を行い、治験審査委員会・感染対策委員会・医療安全委員会などの委員も経験した。本授業科目では病院薬局実務実習の事前学習として、患者・来客者応対、服薬指導、患者教育、医薬品の供給と管理、安全管理等について、おくすり相談窓口、薬剤管理指導業務や医薬品安全管理者としての経験で得られた生の知識を学生に伝える。
達成目標1)前)病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。  
2)前)病院・薬局で薬剤師が実践する薬学的管理の重要性について説明できる。
3)前)調剤業務に関わる事項(処方せん、調剤録、疑義照会等)の意義や取り扱いを法的根拠に基づいて説明できる。         
6)前)処方せんの様式と必要記載事項、記載方法について説明できる。
7)前)処方せんの監査の意義、その必要性と注意点について説明できる。
8)前)処方せんを監査し、不適切な処方せんについて、その理由が説明できる。
9)前)処方せんに従って、計数・計量調剤を行う上で必要な事項を説明できる。
10)前)代表的な注射剤・散剤・水剤等の配合変化のある組合せとその理由を説明できる。
11) 前)薬歴・診療録の基本的な記載事項とその意義・重要性について説明できる。
12) 前)経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。
13) 前)特別な注意を要する医薬品(劇薬・毒薬・麻薬・向精神薬・抗悪性腫瘍薬等)の調剤と適切な取扱いについて説明できる。
14) 前)チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。
15)前)多様な医療チームの目的と構成、構成員の役割を説明できる。
16) 前)身体所見の観察・測定(フィジカルアセスメント)の目的と得られた所見の薬学的管理への活用について説明できる
17) 重篤な副作用や薬害の例について、患者や家族の苦痛を理解し、代表的な薬害の例(サリドマイド、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。
学習教育目標
成績評価方法3分の2以上の出席を満たした者が成績評価の対象となる。
第7回で実施する演習・第12回講義に対するレポート・第15回で実施する定期試験により総合的に判定する。(なお各試験において小数点以下が出た場合、小数点以下は四捨五入とする)
具体的には
◎演習・レポート:30%
 ・計数調剤&計量調剤に関する演習 2題 (20点)
 ・講義に関するレポート(10点)
   
◎定期試験:70%
 ・第1回~第14回までの講義に関する問題を作成 (100点満点を70点に換算)

※到達目標の60%以上に達したものを合格とする。
※成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。
※達成目標の60%に達しなかった者は再試験を1回だけ行い、目標の60%以上に達したものをC表
 記60点として合格とする。(なお再試験を行う場合の範囲は本講義全ての範囲とする)
教科書『第十四改訂 調剤指針 増補版』(日本薬剤師会 編、薬事日報社 2022年8月)
参考書『コンパス 調剤学 改訂第3版』 八野芳巳編 南江堂 (2020年)
『図解 医薬品情報学 改訂4版』折井孝男 編 南山堂 (2019年) 
『調剤学総論 第12版 』堀岡正義 著 南山堂 (2015)
『新ビジュアル薬剤師実務シリーズ(上)薬剤師業務の基本』 平井みどり編 羊土社 (2017)
履修上の注意本講義は、薬学臨床事前実習、さらには病院・薬局にて実施される病院薬局実務実習への備えとなるので、その点に留意して受講し、講義の後は必ず復習をすること。
また、本講義で学ぶことは、卒業後に医療現場において薬剤師として活躍する際に必要な知識であるので、しっかり学習してもらいたい

薬物療法の実践:患者に安全・最適な薬物療法を提供するために、適切に患者情報を収集した上で、状態を正しく評価し、適切な医薬品情報を基に、個々の患者に適した薬物療法を提案・実施・評価できる能力を習得する

授業計画

注意こまめな予習・復習は授業内容のより深い理解・定着に非常に効果的であり、中間・期末試験に臨む際に有効である。
なお、授業の担当・順番及び講義内容は進行度等によって変更することがある。その際は教官より適宜指示を行う。