授業名薬学臨床事前実習(99P4412)授業名(英)Pre-Training for Clinical Clerkship
教員名有海 秀人,黒川 陽介,坂井 久美子,山本 晃之,堀江 一郎,小野 浩重,細井 徹,惠谷 誠司,尾家 重治,頼岡 克弘,山﨑 博史,相良 英憲,中川 直,廣實 清司,日野 千恵子
開講年度学期2025年度 後期
曜日時限火曜3限、火曜4限、火曜5限、水曜3限、水曜4限、水曜5限、木曜3限、木曜4限、木曜5限
開講学科薬学部薬学科

単位5.0学年4年
区分専門科目
実験・実習
課程必修

概要患者・生活者本位の視点に立ち、薬剤師として病院や薬局などの臨床現場で活躍するために、病院実務実習・薬局実務実習に先立って、大学内で薬剤師業務の基本的な業務である調剤をはじめ、服薬指導、患者対応、医薬品の適正管理、薬物療法の実践などの薬剤師職務に必要な基本的知識、技能、態度を修得する。なお、知識、技能、態度を包括的に学習するために、薬剤師が参加する研修会(11月9日)に参加し、総合的な薬剤師業務の理解に繋げる。

科目担当教員に加え、小林 晃子先生および県内の病院、薬局で活躍している薬剤師が適宜、指導を行う。
達成目標薬剤師は医療チームの一員として調剤を正確かつ安全に実施できるようになるために、処方せん授受から服薬指導とその後のフォローアップまでの流れに関連する基本的知識、技能、態度を修得すること、また、病院・薬局における 医薬品の管理と供給を正しく行うために、内服薬、注射剤などの取扱い、および院内製剤等に関する基本的知識と技能等を修得する。

前)病院・薬局で薬剤師が実践する薬学的管理の重要性について説明できる。
前)調剤業務に関わる事項(処方せん、調剤録、疑義照会等)の意義や取り扱いを法的根拠に基づいて説明できる。
前)代表的な疾患に使用される医薬品について効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用を列挙できる。
前)処方せんの様式と必要記載事項、記載方法について説明できる。
前)処方せんの監査の意義、その必要性と注意点について説明できる。
前)処方せんを監査し、不適切な処方せんについて、その理由が説明できる。
前)処方せん等に基づき疑義照会ができる。(技能・態度)
前)薬袋,薬札(ラベル)に記載すべき事項を適切に記入できる。(技能)
前)主な医薬品の成分(一般名)、商標名、剤形、規格等を列挙できる。
前)処方せんに従って、計数・計量調剤ができる。(技能)
前)後発医薬品選択の手順を説明できる。
前)代表的な注射剤・散剤・水剤等の配合変化のある組合せとその理由を説明できる。
前)無菌操作の原理を説明し、基本的な無菌操作を実施できる。(知識・技能)
前)抗悪性腫瘍薬などの取扱いにおけるケミカルハザード回避の基本的手技を実施できる。(技能)
前)処方せんに基づき調剤された薬剤の監査ができる。(知識・技能)
前)適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
前)妊婦・授乳婦、小児、高齢者などへの応対や服薬指導において、配慮すべき事項を具体的に列挙できる。
前)患者・来局者から、必要な情報(症状、心理状態、既往歴、生活習慣、アレルギー歴、薬歴、副作用歴等)を適切な手順で聞き取ることができる。(知識・態度)
前)患者・来局者に、主な医薬品の効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に説明できる。 (技能・態度)
前)代表的な疾患において注意すべき生活指導項目を列挙できる。
前)患者・来局者に使用上の説明が必要な製剤(眼軟膏、坐剤、吸入剤、自己注射剤等)の取扱い方法を説明できる。(技能・態度)
前)代表的な疾患の症例についての患者応対の内容を適切に記録できる。(技能)
前)衛生的な手洗い、スタンダードプリコーションを実施できる。
前)患者および種々の情報源(診療録、薬歴・指導記録、看護記録、お薬手帳、持参薬等)から、薬物療法に必要な情報を収集できる。
前)基本的な身体所見を観察・測定し、評価できる。(知識・技能)
前)患者のアドヒアランスの評価方法、アドヒアランスが良くない原因とその対処法を説明できる。
前)皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射・点滴等の基本的な手技を説明できる。
前)代表的な輸液の種類と適応を説明できる。
前)患者の栄養状態や体液量、電解質の過不足などが評価できる。
前)代表的な疾患に用いられる医薬品の効果、副作用に関してモニタリングすべき症状と検査所見等を具体的に説明できる。
前)代表的な疾患における薬物療法の評価に必要な患者情報収集ができる。(知識・技能)
前)代表的な疾患の症例における薬物治療上の問題点を列挙し、適切な評価と薬学的管理の立案を行い、SOAP 形式等で記録できる。(知識・技能)
前)代表的な症候(頭痛・腹痛・発熱等)を示す来局者について、適切な情報収集と疾患の推測、適切な対応の選択ができる。(知識・態度)
前)代表的な症候に対する薬局製剤(漢方製剤含む)、要指導医薬品・一般用医薬品の適切な取り扱いと説明ができる。(技能・態度)
前)代表的な生活習慣の改善に対するアドバイスができる。(知識・態度)
学習教育目標
成績評価方法◎受講態度及び学習意欲に対する評価:(20%)
◎ポートフォリオ(レポート)に対する評価:(20%)
◎薬剤の調製、調剤監査、無菌操作の実践、患者・来局者応対、情報の提供に関する課題の技能評価:(30%)
なお、評価基準は、各課題ごとに示す細目評価の実施率とする。
実施率90%以上   5点/課題
実施率89~80%    4点/課題
実施率79~70%    3点/課題
実施率69~60%  2点/課題
実施率59%以下    2点/課題
欠席        0点/課題

◎実習試験(30%)

成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。
到達目標の60%以上に達したものを合格とする。
教科書実習書を配布する
参考書1) 『新ビジュアル薬剤師実務シリーズ 上 薬剤師業務の基本[知識・態度]』上村直樹,平井みどり 羊土社(2013)
2) 『新ビジュアル薬剤師実務シリーズ 下 薬剤師業務の基本[技能]』上村直樹,平井みどり 羊土社(2013)
3) 薬学生のための病院・薬局実務実習テキスト2021年版 一般社団法人薬学教育協議会 病院・薬局実務実習近畿地区調整機構/監、日本病院薬剤師会近畿ブロック/日本薬剤師会大阪・近畿ブロック/編 じほう(2021)
履修上の注意病院実務実習、薬局実務実習に先立って行う実習であるので、真剣に取り組むこと
薬学共用試験を受験するには本実習を履修しておく必要がある

授業計画オリエンテーション
薬剤の調製
  ・計量調剤(散剤)
  ・計量調剤(水剤)
  ・計量調剤(軟膏剤)
  ・計数調剤
調剤監査
  ・調剤薬監査
  ・持参薬チェック
無菌操作の実践
  ・手洗いと手袋の着脱
  ・手指の消毒と手袋・ガウン・マスクの着脱
  ・注射剤混合
患者・来局者応対
  ・薬局での患者応対
  ・病棟での初回面談
  ・来局者応対
  ・在宅での薬学的管理
情報の提供
  ・薬局での薬剤交付
  ・病棟での服薬指導
  ・一般用医薬品の情報提供
  ・疑義照会
  ・医師への情報提供
     (オンライン服薬指導、吸入指導、バイタルサインからの医薬品効果の評価を含む)
各課題ごとの技能評価
実習試験

注意こまめな予習・復習は授業内容のより深い理解・定着に非常に効果的である。
実習前課題を設けている項目もあるので、当該実習を受けるまでに課題に必ず取り組むこと。
本実習は必ず修得しなければいけない課題ばかりなので、特に復習には十分な時間を当て、必ず理解すること。

※補講について
・やむを得ない理由(忌引き、感染症などの疾病罹患など)で本実習を欠席した場合
・理解が不十分で課題をクリアできなかった場合
・課題を今以上に理解するために再受講を希望する場合

上記に当てはまる者については、補講の時間を設けるので、その時間を利用すること。
但し、対象者は担当教員が許可したものに限り、開講時間等はその都度決めるものとする。